本郷界隈―街道をゆく〈37〉 (朝日文芸文庫)



本郷界隈―街道をゆく〈37〉 (朝日文芸文庫)
本郷界隈―街道をゆく〈37〉 (朝日文芸文庫)

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シリーズの中でも白眉?

このシリーズを全部読んではいないが、この巻は、たぶん、とてもよい出来だと思う。東京在住ではない人には、物足らないかもしれないが、東京在住か、東京出身者なら、まず、身近な小さな話題で、歴史を覗くことが出来る、散歩の格好の書であることがわかる。でも東京以外の人だと、ちょうど東京の人が、他県の「大文字の歴史」に由緒がある場所には惹かれても、「小文字の歴史」の由緒には入っていきにくいのと同じ理由で、少しつまらないかもしれない。晩年独特の臭みを発揮して、ちょっとだけガッカリした司馬遼太郎だったけど(特にエセー系は臭かった)、この巻はさらりとしていて、よかった。
漱石、鴎外、一葉を読んでから

職場が本郷界隈(とは言っても茗荷谷なのであまり近くはないが)なので読んでみました。
江戸の境界線とも言うべきやや特殊な位置にある本郷の歴史をひもときつつ、水戸黄門から近藤重蔵、最上徳内ら江戸期に活躍した人々から夏目漱石、森鴎外、樋口一葉ら明治期の文豪たちまで、本郷にゆかりのある人物が多数登場し、司馬遼太郎独特の語り口での解説によって知識を深められます。

なお、作品中漱石や鴎外、一葉らの作品が数多く引用されるのですが、こうした文豪たちの作品をまったく読んだことがないため"文学の街本郷"の趣きを味わうことができなかったのが残念です。自分の教養のなさを思い知らされました。
数年後、明治の文豪の作品を一通り読んでからもう一度読み直したいと思います。
本郷界隈にゆかりのあった人どもについての思索の旅です

前巻の「本所深川散歩・神田界隈」に続き、都内を歩く巻です。前巻では、「とりあえずは江戸っ子の産地じゃないか」と思いながら歩いたことから、鳶の頭や芸者たちなど、江戸っ子の奥義を探る面が強かったのに対し、この巻では、本郷界隈にゆかりのあった人々、具体的には、漱石や鴎外、一葉といった文豪、近藤重蔵や最上徳内、緒方洪庵といった江戸末期の人々について、司馬氏が思索を重ねていきます。他の巻同様、著者の思索に付き合うのは、非常に楽しい作業であると共に、著者の思索量には驚かされます。
文豪の中でもとりわけ漱石についての記述が多く、漱石ファンも一読されてはいかがでしょうか。



朝日新聞社
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